ザナ・チンブレワ野外劇場は、ブルガリアの旧市街ネセバルにある屋外の文化施設で、黒海と南港を望みます。魅力は公演だけではありません。空の開けた舞台と海の景色によって、音楽や演劇の夜が、三千年以上にわたって人々が暮らしてきた土地の中に置かれます。市の文化プログラムはこの会場を正式名称で掲載し、コンサート、祭典、式典を案内しています。毎日決まった公演がある独立した記念建造物というより、歴史ある半島で今も使われる公共の舞台として理解するのが適切です。
名称からは、ネセバルに残る古代劇場の考古遺構との混同が生じることがあります。現在イベントに使われる会場と、保存された古代の構造物を同一のものとして語るべきではありません。ユネスコの保全資料は、旧市街にある考古学的な劇場と、近代の建物や後世の追加部分を区別して記録しています。現代の催しを楽しみながら、歴史地区には時代の異なる層があることを意識できます。現地で見えるものもあれば、発掘や博物館資料を通して知るものもあります。その違いこそ、町が公共空間を使い続けながら、先人の痕跡も守っていることを示します。