カウノスは、トルコ南西部ムーラ県に残る古代カリアの都市で、現代のダルヤンの町から川を挟んだ西側に位置する。かつては港を通じてエーゲ海とアナトリア内陸を結んだが、河川の堆積物で湾が次第に埋まり、現在の海岸線は遺跡から約8キロ離れている。そのため、古代都市の建築だけでなく、自然環境の変化が交易路と港町の盛衰を左右した過程も読み取れる。
古代、この地域はカリアとリュキアの境界にあり、カウノスは独立した政治体から周辺の大国に組み込まれていった。遺跡には高さ約152メートルのアクロポリス、城壁、劇場、アゴラ、ローマ浴場、神殿、初期キリスト教のバシリカ、旧港の水域が残る。城壁には異なる時代の部分があり、マウソロス時代、ヘレニズム時代、さらに古い段階の建設が指摘される。港の位置と各建築を照らし合わせると、防衛、公共生活、海上交易の結び付きが見えてくる。