写真で見る私たちの世界の驚異 完全ガイドに戻る

カムーフ・エル・ヘルメル — ストリートビュー

ヘルメルの石塔は建設者が確定していない。紛争下で急がれる文化財保護を考える。

レバノン北東部のヘルメル近郊に、高い石造建築が残る。いまこの地域を語るときには、国境と紛争を避けて通れない。一般に「ヘルメルのピラミッド」と呼ばれるが、エジプトの巨大な三角形の建物とは形が異なり、上部が段状になった記念塔に近い。ユネスコの二〇二六年の文化財保護文書は高さを約二十六メートル、年代をおおむね紀元前一世紀と記す。地域の権力とギリシャ系の造形、在地の伝統が接した時代を示す情報だが、誰のための塔かは明らかにしない。

「ピラミッド」という名称から、根拠のない確信が生まれやすい。外形を表す便利な言葉であり、エジプト王朝の建築だったという意味ではない。一八九七年の研究でポール・ペルドリゼは、ほかの葬送建築と比較して霊廟である可能性を論じた。その議論は重要だが、被葬者を明示する碑文が残っていないため、所有者は不明である。エメサの王家との関連を唱える説も、石に刻まれた事実ではなく仮説として扱うべきだ。

完全ガイドを読む

場所: محافظة بعلبك - الهرمل‎, レバノン · 34.3642794, 36.4159726

近くのストリートビュー