カラクムルは、メキシコ南部カンペチェ州の熱帯林奥深く、グアテマラ国境から約35キロに位置する。古代マヤ低地で最大級かつ強大な都市の一つで、現代名はマヤ語で「隣り合う二つの丘」を意味し、遺跡の景観を形づくる二つの大建造物を指す。文化遺産として2002年に登録され、2014年には周囲の保護熱帯林を含む複合世界遺産へ拡張された。
古典期のカラクムルは、「蛇の王国」と呼ばれるカーン王朝の重要拠点だった。蛇頭の紋章文字は広い地域で確認され、現在のグアテマラにあるティカルと、同盟、戦争、王家の婚姻を通じて長く覇権を争った。数千の建造物と多数の石碑が確認され、なかでも高さ約45メートルの建造物IIは圧倒的だ。石碑には支配者、暦日、政治事件が刻まれ、都市の歴史を読み解く鍵となっている。