イラン北西部、西アーザルバーイジャーン州の火山性山地にあるタフテ・ソレイマーンは、湧水湖を中心に築かれた考古遺跡である。ユネスコは2003年、サーサーン朝の王宮建築、重要なゾロアスター教聖域、自然景観が一体となった価値を認め、世界遺産に登録した。中心部は平原から約60メートル高い楕円形の台地にあり、およそ350メートル×550メートルの範囲を城壁が囲む。
アードゥル・グシュナスプの拝火神殿はサーサーン朝国教の主要聖地で、水の女神アナーヒターに関係する神殿や王の施設が湖の周囲に配置された。サーサーン朝滅亡後に衰退したものの、13世紀のイルハン朝は旧建築の一部を利用して宮殿を築いた。火、水、王権、山岳景観が重なる構成は約2500年に及ぶ信仰の継続を物語り、後世のイスラム建築にも影響を与えた。