カンボジアのアンコール遺跡公園で特に知られるタ・プローム寺院は、建物だけでなく周囲の景観とともに見る価値があります。かつての都、道路、貯水池、宗教施設が何世紀にもわたり形づくった文化的景観の一部です。ユネスコはアンコールを、孤立した観光名所の集合ではなく、相互に結び付いた遺産地域として説明しています。その視点に立つと、寺院の回廊や中庭が計画された都市・祭祀空間に属していたことが分かります。
アンコールを管理するカンボジアのAPSARA機構によると、寺院の当初の名称は「王の僧院」を意味するラージャヴィハーラでした。1186年、ジャヤーヴァルマン七世の時代に奉献された大乗仏教寺院とされています。APSARAの考古学者は2025年の記事で、中心の像は智慧の完成を象徴する般若波羅蜜多を表し、王の母と結び付けられていたと説明しました。宗教的な意味と王家の記憶を伝える一方、寺院全体を一つの像や物語に単純化する必要はありません。