セルビアのニシュ中心部から東へ約5キロ。メディアナ考古公園には、古代ナイスス郊外に築かれた皇帝の居所と農園の遺構が残ります。ニシュ国立博物館は、コンスタンティヌス大帝とその息子たちにゆかりのある施設として紹介しています。単独の宮殿ではなく、住居、工房、倉庫、宗教施設がまとまった田園の複合施設でした。皇帝の暮らしを支えた行政や食料供給まで想像できる点が、この遺跡の魅力です。
主な建築段階は3世紀末から4世紀初頭に始まり、5世紀半ばまで続きました。とりわけ330~361年に活動が盛んで、コンスタンティヌス、息子のコンスタンスとコンスタンティウス2世、短期間統治したユリアヌス帝の時代に当たります。これは遺跡の変化を示す年代であり、一つの建物が一度に造られ、そのまま使われたという意味ではありません。発掘成果からは、皇帝時代の姿に固定できない長い歴史が見えてきます。