モナコ大公宮殿は、モナコ公国の港を見下ろす歴史的な岩山、ル・ロシェに建っています。単なる博物館ではありません。現在も君主の家族が暮らし、公務を行う場所であり、一般公開されるのは限られた時期の一部の国家居室です。この二つの役割があるため見学範囲は限られ、公的行事によって公開状況が変わることもあります。旅行者にとっては、印象的な地形、何世紀にもわたる政治史、時代ごとの統治者の願いを映す室内装飾が一か所に集まる場所です。
宮殿の公式沿革は、建物の起源をジェノヴァ共和国の要塞にたどります。1215年6月10日、ジェノヴァ人が岩山に要塞の最初の石を据え、四つの角塔と防壁によって戦略拠点を築きました。その後も建物は何度も補強・改築され、現在の住居はこの防御施設を核に発展しました。一度に完成した宮殿ではありません。初期の設計では防衛が優先され、後の増築によって大公宮廷にふさわしい建築や儀礼の要素が加わっていきました。