ロンシャン宮殿は壮麗な建築として紹介されがちですが、その中心にあるテーマは水です。マルセイユ市は、マルセイユ運河を通じてデュランス川の水が市内に届いたことを記念して、この建築群を整備しました。このインフラ事業は、急成長する港町の暮らしを変えました。サンク・ザヴニュ地区にある宮殿、噴水、庭園、博物館は、工学上の成果を市民のための記念空間へと形づくっています。
水の確保は長くマルセイユの深刻な課題でした。繰り返す水不足や衛生上の危機を受け、1830年代に運河計画が進みます。デュランス川は市から遠く、水を運ぶには運河、トンネル、橋を組み合わせた仕組みが必要でした。運河は1849年にマルセイユへ到達し、ロンシャンの記念碑的な水景が都市の変化に祝いの形を与えました。