トルコのセルチュクから約9キロ、ビュルビュル山にある聖母マリアの家(Meryem Ana Evi)は、キリスト教の伝承で、イエスの磔刑後に使徒ヨハネがマリアをエフェソス周辺へ連れ、晩年を過ごしたとされる場所である。修復された小さな石造家屋は礼拝堂として使われ、周囲には聖なる泉とみなされる水場や願いを託す壁がある。
信仰上の伝承と歴史的証明は区別する必要がある。19世紀、ラザリスト会の司祭たちがドイツ人修道女アンナ・カタリナ・エメリックの幻視記録にある地形描写を手がかりに場所を特定した。カトリック教会は巡礼を認め、奨励してきたが、考古学的結論としてマリアの実際の住居だったと正式宣言したわけではない。この違いを正確に述べても、カトリック、正教会、多くのイスラム教徒にとっての精神的価値は損なわれない。