について コルス
コルシカ島は地中海西部に浮かぶフランスの単一地方公共団体で、山岳景観、海岸、歴史都市、独自の文化が凝縮された旅先である。地中海で4番目に大きな島で、イタリア半島の西、サルデーニャ島の北に位置する。島のおよそ3分の2を山地が占めるため、地図上では近く見える町同士でも、曲がりくねった道路を通る移動には時間がかかる。旅行計画は島を地域ごとに分け、無理のない滞在日数を確保するとよい。
中心都市アジャクシオはナポレオン・ボナパルトの出生地で、生家メゾン・ボナパルトが島とフランス史の接点を伝える。北部の港町バスティアにはジェノヴァ統治時代の面影が残り、南端のボニファシオは石灰岩の断崖上に築かれた旧市街で知られる。内陸のコルテは山岳地帯とコルシカ文化を知る拠点だ。地域言語として認められているコルシカ語をはじめ、地名、音楽、食文化にはイタリア半島との長い交流が表れている。
島は1284年から長くジェノヴァ共和国の支配下にあり、18世紀半ばには独立したコルシカ共和国を経験した。1768年にジェノヴァが島に対する権利をフランスへ譲り、翌年フランスが支配を確立した。その1769年にアジャクシオでナポレオンが生まれている。現在のコルシカは、フランスの一般的な地域圏とは異なる行政制度を持つ。港、要塞、教会、山村を巡れば、地中海交易、島の自治、フランス国家形成が重なる歴史を読み取れる。
島を深く味わう代表的な方法がハイキングである。公式観光情報は、カルンザナからコンカを結ぶGR20を経験豊富な登山者向けの難関ルートとし、全行程は一般に約15区間に分けられる。適期は通常6月中旬から10月中旬だが、高地では天候が急変する。初心者にはMare a MareやMare e Montiの一部区間が現実的だ。出発前に天気、山火事、通行規制を確認し、十分な水と装備を持ち、山小屋の営業状況も予約時に確かめたい。
コルシカ島へは年間を通じて空路と海路でアクセスでき、公式案内には4空港と7つの商港が掲載されている。フランス本土やイタリアとの航路は季節により変わるため、運航会社の最新時刻を確認し、繁忙期はフェリー、宿泊、レンタカーを早めに押さえるのが安全だ。鉄道は主要都市の一部を結び、アジャクシオとコルテの間では山岳景観も楽しめるが、島全域を網羅しない。文化散策や徒歩旅行なら、盛夏より混雑が穏やかな晩春や初秋も有力な選択肢となる。