について パラチ
パラチはブラジルのリオデジャネイロ州コスタ・ヴェルデにあり、セーラ・ダ・ボカイナの山々を背に、イーリャ・グランデ湾へ面する。植民都市、湾の島々、大西洋岸森林が一体となった旅先で、旧市街には18世紀後半から19世紀初頭の白壁と色彩豊かな縁取りの家、石畳、教会が残る。港、山道、マングローブ、浜辺、グアラニ、キロンボーラ、カイサラの伝統的共同体まで含めて文化的景観を形づくり、単独の「古い町並み」ではない。
植民地期のパラチは、リオデジャネイロ、サンパウロ、ミナスジェライスを結ぶ重要拠点で、黄金街道が内陸の鉱山地帯と港をつないだ。後に新しい輸送路ができると町は相対的に孤立し、多くの都市構造と建物が残る結果となった。ブラジル国立歴史芸術遺産院は1958年に市街地を保護し、1974年には周辺景観へ範囲を広げた。2019年、「パラチとイーリャ・グランデ―文化と生物多様性」が、文化・自然両基準による連続複合遺産として世界遺産に登録された。
構成資産にはパラチ歴史地区、永久守護者要塞のあるヴィラ・ヴェーリャの丘、セーラ・ダ・ボカイナ国立公園、カイルス環境保護区、イーリャ・グランデ州立公園、プライア・ド・スル生物保護区などが含まれる。植民港、黄金街道、伝統共同体と、海面から標高2000メートル超まで続く大西洋岸森林の生物多様性が結び付く。旧市街散策、湾の船旅、森林ルートを組み合わせられるが、保護規則とガイド条件は場所ごとに異なり、管理機関や認可事業者への確認が必要だ。
歴史地区は公共の街区なので統一入場券や一つの開場時間はなく、教会、博物館、要塞、文化行事には個別の日程がある。石畳は非常に不規則で、満潮や強雨では海寄りの低い通りに水が入ることがある。移動に不安がある人は整備中のバリアフリールートを確認し、適切な交通手段を選びたい。滑りにくい靴はサンダルより実用的だ。車は歴史地区外の許可された場所に置き、宿の前まで進入できるとは考えない方がよい。
海岸と山地の天候は変わりやすい。船を予約する際は海況、救命設備、帰着時刻を確認し、ボカイナ国立公園では歩道、許可、雨季の道路状況を調べる。トリンダージ地域には浜と天然プールがあり、一部の道は国立公園内で、休日は混雑する。伝統共同体を尊重し、住民を無断撮影したり私有地へ入ったりせず、文化遺産を単なる写真背景として扱わないこと。歴史、自然、地域生活を味わうには最低2~3泊を取り、島と山道を慌ただしい一日に詰め込まない計画が望ましい。