アマルフィ海岸はイタリア南部の地域であり、アマルフィの町だけ、あるいは海水浴場の並ぶ一帯だけを指すものではありません。ユネスコは登録された文化的景観を、ソレント半島南側に広がる11,231ヘクタールの地域と説明しています。15の自治体、農地、三つの自然保護区を含み、崖はティレニア海へ落ち込み、斜面には町、段々畑、細い道路が連なります。景観美だけでなく、農業や交易、土地と海との関係に形づくられた、人々の暮らす地域です。
世界遺産登録が評価するのは、自然と人の営みがつくった結び付きです。平地が少ないため、住民は斜面を段々畑にしてブドウや果樹を育て、高地では牧畜を行ってきました。町や村は異なる標高に位置し、街路の形もそれぞれ違います。海沿いの遊歩道に同じ景色の町が並ぶわけではありません。地形を考慮して訪問先を絞ると、すべてを一日で回ろうとするより、地域全体の成り立ちを理解しやすく、渋滞に費やす時間も抑えられます。