カシカの家は、オアハカ州ミシュテカ高地のサン・ペドロ・イ・サン・パブロ・テポスコルラにあります。メキシコの文化施設情報は建物を1560年ごろのものとし、図書館を運営する財団は、16〜18世紀に地域のカシケ(先住民の地方有力者)を迎えるために使われたと説明しています。名称は女性の先住民権力者を指しますが、現在確認できる機関の説明では、建物にまつわる全ての物語を一人の人物に確定していません。地域の記憶、植民地時代の記録、後世の語りが重なる場所では、この区別が重要です。
この建物は古い邸宅というだけでなく、植民地期における先住民建築の珍しい例として評価されています。文化機関はミシュテカの建築伝統とヨーロッパの影響が組み合わさったものと説明しています。そこに表れているのは、一方の文化が他方を完全に置き換えた歴史ではなく、交渉と変化の時代です。テポスコルラとミシュテカ高地の歴史のなかで見ると、植民地統治のもとでも先住民共同体が地域の制度や建築空間を形づくり続けたことがわかります。