サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂は、歩き旅の終点にぽつんと建つ記念建築ではありません。使徒ヤコブの墓と伝えられる場所を中心に、歴史ある街路、教会、広場が広がってきました。ユネスコはサンティアゴをキリスト教世界の重要な聖都の一つとし、中世以降のヨーロッパの芸術潮流が町並みに重なったと説明しています。旅行者にとって大聖堂は礼拝の場であり、ガリシアの町がヨーロッパの目的地となった理由を読み解く鍵でもあります。
巡礼の伝統は、使徒ヤコブのものと信じられる墓と結びついています。ユネスコのサンティアゴ巡礼路の説明によれば、その墓は9世紀に発見されたとされています。大陸各地から続く道は、旅人だけでなく思想や商業交流も運びました。やがて巡礼路は宗教的な道にとどまらず、地域社会を結び、建築や芸術の影響を伝える経路となりました。旧市街にはその往来の痕跡が残り、大聖堂が中心に位置しています。