スペイン北西部ビエルソ地方のラス・メドゥラスには、古代の土木技術が残した痕跡が驚くほど大きな規模で見られます。赤い断崖や尖峰は単なる自然の岩ではなく、水を使ったローマ時代の金鉱開発によって形づくられた鉱山地帯の一部です。ユネスコはレオン県の重要な鉱区として紹介し、帝国当局が紀元1世紀に金の採掘を始め、今も工程を読み取れる地形を残したと説明しています。
「ルイナ・モンティウム」と呼ばれる技法は、水圧で斜面を崩し、金を含む鉱石を露出させるものでした。ユネスコの説明によると、広い水利網が築かれ、貯水池が大量の水を集め、用水路が採掘場へ運びました。廃石は地表に広がり、坑道や切り立った採掘面には作業の跡が残ります。ここで見えるのは地質だけではなく、計画と労働の歴史です。用水路は個々に散らばった痕跡ではなく、連動する仕組みでした。