シベニク旧市街の小広場とアドリア海の間に立つ聖ヤコブ大聖堂は、大きさよりも石造部分の精緻さで訪問者を引きつける。1431年に着工し、1530年代まで建設が続き、1555年に献堂された。ゴシックとルネサンスが一つのまとまりある構造の中で融合した、珍しい共同制作である。ユネスコは2000年に世界遺産へ登録した。「聖ヤコブ大聖堂」という名だけでは特定できない建物で、クロアチアのダルマチア海岸にあるシベニクの職人文化と港の地形に深く結びついている。
シベニク市民は、1298年に設立された自らの司教区にふさわしい大聖堂を求めた。準備は1402年に承認されたものの、政情不安、疫病、火災などがあり、礎石が置かれたのは1431年4月9日である。工事は一世紀以上にわたり段階的に進んだ。ユネスコは建設期間を1431~1535年とし、教区の沿革は1536年完成、1555年献堂と記す。施工終了と建物の完成は異なる年に記録され得るが、いずれも一人の設計者ではなく複数世代が手がけた事業だったことを示す。