ここでいうトラテロルコは、同じ名前を持つ複数の場所を曖昧に指すものではない。メキシコシティのクアウテモク区にある考古遺跡で、古代メシカの都市の痕跡が、現代の密集した市街地の中に残る。考古建築、集合住宅、教会、公共空間が同じ景観に並び、過去は現在から切り離されていない。首都の日常の街路や人々の移動の中で古代に出会う場所だ。
メキシコ国立人類学歴史研究所(INAH)が引用する年代記によれば、トラテロルコのメシカ都市は、テノチティトランと関係する集団の分裂後、1338年に築かれた。二つの都市中心は隣り合って発展し、それぞれ異なる政治的な立場を持ちながら、競争、交流、共通の文化が入り交じる複雑な関係を築いた。トラテロルコは市場と儀礼地区で知られ、遺跡は独自の神殿、基壇、公共空間を持つ都市だったことを示している。