ノラトゥスの大墓地は、アルメニアのゲガルクニク地方、セヴァン湖西岸に近い村にあります。アルメニア国内で最大級のハチュカル群が残る場所です。ハチュカルは十字架を中心に、植物文様、組みひも、ロゼット、幾何学模様を石に彫ったアルメニア独自の記念碑で、一基ごとに構図と彫刻が異なります。
墓地には中世から近世まで長い時代にわたる石碑が残ります。初期のハチュカルは主に9〜10世紀にさかのぼり、16〜17世紀には制作伝統が再び活発になって精緻な作品が生まれました。十字架碑だけでなく、宴、婚礼、農作業、騎馬人物などを表した墓石もあり、当時の社会生活と死者の記憶の表現を伝えています。