マウルブロン修道院で、見学者がすぐには気づかないかもしれない重要な要素、それは水だ。水路、排水溝、池、貯水池が、シトー会修道院の物語を教会や回廊の外、周囲の谷へと広げている。中世の共同体は、日々の暮らし、農業、養魚に必要な水を管理しなければならなかった。その技術は現在も、より広い文化的景観の一部として残る。ユネスコは、マウルブロンをアルプス以北で最も完全かつ良好に保存された中世修道院建築群と評価している。1147年に創設され、1993年に世界遺産に登録された。
修道院の公式年表によると、シトー会の最初の拠点は1138年にエッケンヴァイアーに設けられた。1147年、共同体はザルツァハ川上流の谷へ移り、この年がマウルブロン修道院の創設年として一般に用いられている。新しい場所では共同生活の基盤を築き、土地や資源を管理する余地が生まれた。修道院は一時に完成した記念建築ではなく、何世紀もかけて発展した。ユネスコは主要建物を12~16世紀のものとし、中世の最盛期以降に加わった建築や用途の変化も歴史を物語ると説明している。