について エスタディオ・デ・メスタージャ
メスタージャはバレンシアCFの本拠地であるだけでなく、今も稼働し、街のスポーツの記憶に深く結び付いたスタジアムだ。1923年の開場以来、何世代ものサポーターを迎え、国際試合やスペイン1部リーグ最多の試合数を重ねてきた。旅行者には、試合日に急勾配のスタンドとピッチの近さを感じる方法と、クラブの日程が許す日にガイドツアーへ参加する方法がある。訪問の機会は、より大きな意味でも一時的だ。バレンシアCFはノウ・メスタージャへの移転を準備しており、現在のスタジアムを訪ねることは変化の途中にある歴史に触れることでもある。
用水路にちなんだスタジアム名
クラブの公式歴史によると、メスタージャは1923年5月20日に開場し、バレンシアFCとレバンテFCの親善試合が行われた。当初の収容人数は17,000人だった。スタジアムは敷地の横を流れていた用水路の名を受け継いだ。都市のサッカー名所も、地域の古い地理に根差していることを示す。開場とともにクラブは最初の本拠地アルギロスを離れ、ファンの増加に合わせて大きな舞台を手にした。
メスタージャはクラブや街とともに姿を変えてきた。1927年の最初の改修で収容人数は25,000人に増えた。スペイン内戦中には大きな損害を受け、クラブによれば、収容所や金属くず置き場として使用され、構造の一部しか残らなかった。その後、再建と拡張が行われた。1950年代の大規模工事で「グラン・メスタージャ」が整備され、収容人数は45,500人に達したが、1957年10月の大洪水で再び被害を受けた。こうした出来事は、現在のスタジアムがスポーツ史だけでなく、再建の層をまとっていることを理解する手がかりになる。
その後、国内外での存在感も高まった。スペイン代表は1925年、バレンシアで初めての試合をメスタージャで行った。1982年FIFAワールドカップの試合会場となり、1992年バルセロナ五輪ではサッカー競技の会場のひとつを務めた。2026年5月、バレンシアCFは103周年を祝い、スペイン1部リーグの試合を1,505回開催したと発表した。これは同リーグのスタジアムで最多の数字だ。2025-26シーズンには、メスタージャでのラ・リーガ1,500試合目も迎えた。
ツアーで見られる場所
メスタージャ・フォーエバー・ツアーでは、通常の街歩きでは入れないエリアをガイドと巡る。バレンシア州観光サービスは約1時間の見学として紹介し、トロフィールーム、選手通路、ベンチ、更衣室、記者会見室、VIPボックスなどを含む場合がある。ガイドが各場所をクラブの歴史やスタジアムのエピソードと結び付けて案内する。正確なルートは試合や運営上の必要に左右され、クラブはツアーの中止・変更や特定日の一部エリア閉鎖を告知している。
バレンシアCFが発表した2026年10月の平日ツアーは、午前10時45分、正午、午後1時15分、午後3時45分、午後5時。土曜は午前10時45分、11時30分、午後0時15分、1時、午後3時30分、4時15分、5時の出発が掲載されている。日曜は午前のみだ。日付別の例外もあり、10月17日は試合のためツアー休止、一部の日にはVIPボックスとトロフィーを見学できない。これは月ごとの予定で、恒久的な営業時間ではない。
料金はとくに注意が必要だ。公式ツアーページには大人料金と割引料金が表示されているが、同じページには掲載額の有効期間が2025年9月までと記されている。したがって、2026年10月の料金としては確認できない。購入前に最新の予約画面を見るか、ツアー担当へ問い合わせよう。クラブのサポートページには、時間や料金の質問に使えるメールアドレスと電話番号がある。日程、当日の見学可能エリア、現在の料金をまとめて確認してから予約するのが確実だ。
アクセスと訪問日の選び方
メスタージャはバレンシア市内のスウェーデン通りにあり、公共交通網が利用できる。宿泊先からの地下鉄、路面電車、バスの経路は、出発地点や試合日のアクセス規制によって異なるため、最新情報を調べよう。ホームゲームの日は人の流れが大きく変わるので、周辺の移動時間に余裕を持たせたい。試合のない日は比較的落ち着く可能性があるが、ツアーのすべてのエリアが開いているとは限らない。
出発前にツアー時刻、集合場所、案内言語、アクセシビリティについてクラブに確認しよう。州の観光案内も公式情報の事前確認を勧めており、クラブはツアーを変更する権利を明記している。入場時の確認を急がずに済むよう早めに到着したい。子ども連れや段差のない移動が必要な人と訪れる場合は、具体的なルートを問い合わせよう。歴史あるスタジアム全体が完全にバリアフリーだと想定しないこと。
移行期を迎えるスタジアム
メスタージャは現在もバレンシアCFの本拠地だが、クラブはノウ・メスタージャへの移転を準備している。公表された移行計画では、サポーターのグループ作成を2026年10月14日から30日、座席選択を2026年11月17日から2027年5月、シーズンチケットの確認と支払いを2027年6月・7月に予定している。クラブは2027-28シーズンを新スタジアムへの移転予定時期としている。これは公表された計画であり、工事や運営上の変更が起きないという保証ではない。
この背景により、今の見学にはもうひとつ意味が加わる。メスタージャは初期の時代に凍結された博物館ではなく、現役のスタジアムであり、ツアーもプロクラブの活動に合わせて運営される。スタンド、通路、部屋を巡ると、サッカーを試合の見世物だけでなく、建築や日常の営みとして感じられる。用水路に由来する名称、拡張、被害、復旧、試合記録が、このスタジアムの物語をつくる。まず当日の情報を確認し、それから一世紀を超えるサッカーがバレンシアに残したものに目を向けたい。