について ティッセン=ボルネミッサ美術館
ティッセン=ボルネミッサ国立美術館は、マドリードのパセオ・デル・プラド8番地、ビリャエルモサ宮殿にある。プラド美術館、ソフィア王妃芸術センターとともに「芸術の黄金の三角地帯」を形成する。名作の数だけでなく、他の二館では薄い時代や流派を補う点が大きな特色だ。13世紀末のヨーロッパ絵画から印象派、ドイツ表現主義、アメリカ近代美術、20世紀の前衛まで、西洋絵画約7世紀の流れを比較的連続した展示でたどれる。
コレクションはティッセン=ボルネミッサ家の二世代によって体系的に築かれた。ハインリヒ男爵と息子ハンス・ハインリヒが、個人収集を博物館に匹敵する幅へ発展させた。ファン・エイク、デューラー、ティツィアーノ、カラヴァッジョ、ルーベンス、レンブラント、モネ、ゴッホ、ピカソ、カンディンスキー、オキーフ、ホッパーなどが所蔵作家に並ぶ。1988年に男爵とスペイン政府が775点の貸与契約を結び、1992年10月に開館、翌1993年に国が主要作品を買い取って公共の文化資産とした。
建物も見どころの一つである。新古典主義のビリャエルモサ宮殿は、建築家ラファエル・モネオによって1989年から1992年にかけて近代的な美術館へ改修され、宮殿らしい規模感と中庭が生かされた。カルメン・ティッセン・コレクション、企画展、付帯施設を収めるため、隣接建物を用いた増築が2004年に完成した。現在の常設展示は千点近い絵画から成り、イタリアと北方ルネサンス、17世紀オランダ絵画、ヴェドゥータ、印象派、後期印象派、表現主義、欧米の近代美術に強みを持つ。
公式の現行時間は、9月1日から6月30日まで月曜12時~16時、火~金曜と日曜10時~19時、土曜10時~23時。7月1日から8月31日は火~金曜が21時まで延長され、その他は概ね同じである。月曜12時~16時はコレクションが無料、土曜21時~23時にも指定展示の無料時間がある。一般料金は現在14ユーロ、最終入場は閉館30分前。1月1日、5月1日、12月25日は休館だが、祝日や企画展で変更されるため当日の公式案内を確認したい。
常設展示の鑑賞目安は約2時間30分で、企画展も見るなら追加時間が必要だ。通常のコレクション券は特定時刻の予約を求めないが、入場数を制限する企画展では時間指定が必要となる場合があり、無料時間帯は混雑しやすい。館内は別途表示がない限りフラッシュなしで撮影でき、素描は黒鉛筆のみ認められる。プラド美術館とソフィア王妃芸術センターも巡るなら一日に詰め込まず、複数日に分ける方が作品を理解しやすい。三館を確実に訪ねる場合は芸術散歩共通券も比較対象になる。