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ティッセン=ボルネミッサ美術館

西洋絵画七世紀の歩みをたどるマドリードの美術館。開館時間、無料時間帯、収集史と見学ルートを紹介します。

座標: 40.41611111, -3.695 更新日: 2026-10-05 Google ストリートビュー

について ティッセン=ボルネミッサ美術館

マドリードの「芸術の三角地帯」を形づくる館

国立ティッセン=ボルネミッサ美術館は、マドリード中心部のプラド通り8番地にあり、プラド美術館とソフィア王妃芸術センターの間に位置しています。三館は「芸術の散歩道」と呼ばれる文化地区を形づくりますが、ティッセンの鑑賞体験は少し異なります。数世代にわたって集められた一つのコレクションを通して、13世紀末から20世紀後半までの西洋絵画をたどれます。マドリード滞在中にどの美術館を訪れるか考える人にとって、プラドの歴史的所蔵品とソフィア王妃芸術センターの近現代美術をつなぐ存在です。

所蔵品は歴史的建築のビリャエルモサ宮に展示されています。建築家ラファエル・モネオが美術館として改修し、1992年10月に開館しました。三館の間を徒歩で移動しやすい立地ですが、ティッセン自体にも見応えがあり、急ぎ足の寄り道ではなく独立した時間を設けたい場所です。時代順にたどる方法のほか、風景、音楽、ファッションといった主題から絵画に近づくテーマ別ルートや企画展もあります。

家族の収集から公共美術館へ

ティッセン=ボルネミッサ・コレクションの始まりは、1920年代末から絵画を集めたハインリヒ・ティッセン=ボルネミッサです。1948年以降は息子ハンス・ハインリヒが収集を引き継ぎ、古典絵画を充実させるとともに近代美術まで時代の幅を広げました。家族のコレクションは当初、スイスのルガーノにあるビラ・ファボリータで展示されていましたが、やがて十分な空間がなくなりました。1980年代に新たな場所を探す中で、スペイン人の妻カルメン・セルベラがマドリードを選ぶ後押しをしました。

1988年、男爵とスペイン政府は、将来の売却を前提に775点をスペインへ貸与することで合意しました。ラファエル・モネオがビリャエルモサ宮を改修して作品を収蔵し、1992年10月に美術館が開館。1993年6月にはスペイン政府がコレクションの中核を購入しました。美術館の公式史は、この合意をコレクションを一体として維持し、スペインの公共美術館で比較的手薄だった分野を補う試みとして説明しています。単に名声ある建物が一つ増えたのではなく、西洋絵画の幅広い展望が国の所蔵品に加わり、マドリード中心部の文化的な軸が強まりました。

西洋絵画七世紀の歩み

常設コレクションは、初期イタリア絵画やルネサンスからバロック、19世紀、近代美術の動きまで、時代や流派を横断します。初めて訪れる人には、二階から始めて展示室番号に沿って下へ進む年代順の見学が勧められています。美術館が紹介する作家には、デューラー、カラヴァッジョ、レンブラント、モネ、ドガ、ゴッホ、ゴーギャン、オキーフ、ホッパー、ピカソらがいます。一度の訪問で様式の変化や時代の移り変わりを見比べられる幅広さが魅力です。

一回の訪問で出会うコレクションは一つだけではありません。ティッセン=ボルネミッサ・コレクションは上階、カルメン・ティッセン・コレクションは地上階にあり、企画展は地上階、地下1階、上階の一部でも開催されます。カルメン・ティッセンの作品は別の家族コレクションや長期貸与の取り決めによるもので、館名が同じだからといって、全作品が一つの歴史的まとまりに属するわけではありません。特定の絵画や企画展が目的なら、展示室情報を事前に確認してください。展示替え、貸出、企画変更によって作品の場所が変わることがあります。

見学ルートを上手に組み立てる

美術館の目安では、常設コレクションを無理なく見るのに約2時間半かかります。地上階の企画展も見るなら、さらに約50分を見込んでください。1時間半ほどの短いルートで主要作品を選ぶこともできます。音声ガイドの利用が勧められており、年代順よりテーマに沿って見たい人のためのルートも用意されています。所要時間は計画の参考で、急ぐべきという意味ではありません。心に留まった作品の前で立ち止まる余裕を持ちましょう。

作品ごとの表示がない限り、フラッシュなしの写真撮影と動画撮影が可能です。展示室内では鉛筆でのスケッチも認められますが、絵の具など別の技法を使った模写には事前許可が必要です。子ども連れは家族向けの情報を確認でき、段差のないルートが必要な人は来館前にバリアフリー案内を見ておくと安心です。館内は広く、移動に予想以上の時間がかかることもあります。フロアマップを確認し、常設展、カルメン・ティッセンの展示、企画展をどのように組み合わせるか決めておきましょう。

現在の開館時間、チケット、無料時間

冬季は9月1日から6月30日までで、火曜~金曜と日曜は午前10時~午後7時、月曜は正午~午後4時、土曜は午前10時~午後11時です。夏季の7月1日~8月31日は、火曜~金曜の閉館が午後9時になります。1月1日、5月1日、12月25日は休館です。現在公開されている一般料金は14ユーロで、学生と65歳以上は10ユーロ、18歳未満は無料です。適用条件や変更の有無を、購入前に公式ページで確認してください。

無料で入れる時間帯は二種類あります。月曜正午から午後4時までは常設コレクション、土曜午後9時から11時までは地上階と地下1階にある一部の企画展が対象です。いずれも協賛による制度で、入場者数の上限が適用される場合があります。常設展は通常、入場時間の指定を必要としませんが、地上階の企画展は定員があり時間枠の選択が必要なことがあります。最終入場は閉館30分前です。プラド、ソフィア王妃芸術センターと合わせて各館を一年以内に一度ずつ訪れる「芸術の散歩道パス」もあります。価格と対象となる企画展は最新情報を確認しましょう。

何度でも見直したいコレクション

ティッセン=ボルネミッサ美術館は、知名度の高い二館の間にあるだけの追加スポットではありません。幅広い西洋絵画史を無理のない順路で示し、カルメン・ティッセンのコレクションや入れ替わる企画展によって別の視点を加える点に強みがあります。特定の作家を目当てに訪れて時代間の変化を理解することも、部屋を順に歩き、思いがけず出会った絵にペースを委ねることもできます。

出発前に開館時間、チケット条件、展示一覧、入場に関するお知らせを確認してください。月曜と土曜の無料時間帯では見られる場所が異なり、企画展も入れ替わるため、訪問日に何が公開されるか確かめる必要があります。二階から始め、室番号に沿って下ると分かりやすい年代順の流れになります。休憩と作品をじっくり見る時間も含めれば、チェックリストをこなすような慌ただしさを避けられます。マドリードの博物館街にあるこの館では、家族のコレクションが七世紀にわたる公共の美術史へと変わった過程にも出会えます。