ヴィンドニッサはスイス北部アールガウ州のウィンディッシュとブルック周辺にあり、アーレ川、ロイス川、リマト川の合流点に近い場所です。ローマ軍が来る前から重要な地域でした。州の考古学部門は、周辺のケルト系集落が地域の交通路を押さえていたと説明しています。紀元前15年、アウグストゥスのアルプス遠征中にローマ軍が軍事拠点を設け、ティベリウス帝の時代(西暦14~37年)には軍団基地へ発展しました。現在の風景にもその変化の跡が残りますが、古代の構造すべてが地上から見えるわけではありません。
アールガウ州は、ヴィンドニッサを現在のスイス領内にある唯一のローマ軍団基地と位置づけています。この特徴は国の歴史を考えるうえで重要ですが、遺跡は博物館の壁の中に一か所だけ保存されているのではありません。遺構はウィンディッシュ、ブルック、周辺自治体に分散し、今も人が暮らし、建物が建つ環境に溶け込んでいます。訪問者が歩くのは、完全な姿で時が止まったローマ都市ではなく、生活の続く地域の考古学的景観です。