アーヘン旧市街に立つ大聖堂は、コンパクトな八角形の空間に、その規模をはるかに超える歴史を宿しています。始まりはカール大帝の宮廷礼拝堂でした。彼の宮廷が置かれたこのドイツ西部の都市は、政治と文化の中心となります。現在の建物は一時代に完成したものではありません。カロリング朝時代の核に中世の増築や後世の修復が重なり、教会はいまも礼拝に使われています。帝国の構想、巡礼、職人の技、現役の信仰が交差することが、1978年にドイツで最初のユネスコ世界遺産に登録された理由を物語ります。
ユネスコはカール大帝の宮廷礼拝堂の着工をおよそ790~800年とし、大聖堂参事会は793~813年に大規模な建設が行われたと説明しています。皇帝は各地から専門職人を招き、メッツのオドが工事を指揮したと伝えられます。平面の中心は八角形の堂で、その周囲を二層の回廊が囲みます。東地中海や古代ローマ世界の建築伝統を取り入れながらも、規模と構成によってアルプス以北のカロリング朝の力を示す独自の建築となりました。