トリーアはドイツ西部、ルクセンブルクに近いモーゼル渓谷にあります。歴史地区は徒歩で回りやすい一方、町の時間層は二千年以上に及びます。ローマ時代の門や浴場の近くに、中世の教会、商店街、大学のある現代の暮らしが続いています。ここは現在から切り離された屋外遺跡公園ではありません。カフェ、店舗、住居と歴史的建造物が同じ街路に共存し、訪問者は日常の町と帝国時代の痕跡を行き来します。
トリーア市は、ローマ時代の町の始まりを、紀元前17年ごろに架けられたモーゼル川の木橋と、東岸に広がった集落に結びつけています。アウグスタ・トレウェロールムと呼ばれた町は、やがて地域の中心へ成長しました。3世紀末には四帝統治の首都の一つとなり、その地位が後期ローマ建築の規模を説明します。ドイツ語の地域史は背景を補い、残る建築物は長い年代の流れを現地でたどる手掛かりになります。