インカの聖なる谷は、入口のある一つの遺跡ではありません。クスコ北方に広がるアンデスの景観で、川、農村共同体、市場のある町、考古学公園が連なっています。ペルー政府観光局Perú Travelによると、クスコ中心部から谷まで車でおよそ1時間半ですが、所要時間は交通状況と目的地によって変わります。ピサック、チンチェーロ、マラス、モライ、ウルバンバ、オリャンタイタンボは一つの行程に組み込まれることが多いものの、それぞれが高地での暮らしの異なる姿を見せます。マチュピチュへ向かう途中の駆け足のチェックリストにせず、その違いを見る時間を残すと旅は豊かになります。
Perú Travelは、聖なる谷をウルバンバ川沿いに町や遺跡が連なる一帯として紹介しています。肥沃な土地と標高差のある環境が、インカ時代の農業と集落形成に重要な条件をもたらしました。段々畑、水路、貯蔵施設、道、儀礼空間は、ばらばらの珍しい遺構ではありません。食料生産、政治的な運営、アンデスを移動する交通を結びつけた一つの生活景観を構成していました。残る建造物は、石だけの背景としてではなく、斜面や眼下の川との関係の中で見ると意味が読み取りやすくなります。