ボナンパクはメキシコ南部チアパス州のラカンドン密林にあり、名はマヤ語で「彩られた壁」を意味する。都市自体は大規模ではないが、建造物1の三室に描かれた壁画によってマヤ考古学の重要遺跡となった。政治的には約30キロ離れたヤシュチランと深く結びつき、石碑、まぐさ石、碑文が支配者、同盟、戦争、儀礼を記録する。
壁画は8世紀末ごろの作品で、宮廷儀礼、楽師と貴族、戦闘、捕虜、勝利の祝典を連続場面で描く。衣装、武器、身ぶり、象形文字から社会の具体像が読み取れ、古代マヤを一様に平和な社会とみなした初期研究を覆す材料にもなった。「マヤ・ブルー」、赤、黄、緑は千年以上を経ても残るが、熱帯の湿気、塩類、見学者が変える微気候の影響を受けやすく、保存は難しい。