ベネチアはイタリア北東部にあるベネト州の州都で、歴史地区はベネチア潟に浮かぶ118の小島に広がる。島々は運河で隔てられ、400以上の橋で結ばれている。潟はポー川とピアーベ川の河口の間にあるアドリア海の浅い内湾で、水環境が唯一無二の都市景観を生んだ一方、高潮、浸食、生態系保全という課題ももたらしてきた。
地名は古代にこの地域へ住んだウェネティ人に由来する。697年から1797年まで約千年続いたベネチア共和国は、中世とルネサンス期に海運、商業、金融の大国となった。絹、穀物、香辛料の交易で富を蓄え、十字軍やレパントの海戦など欧州史の大きな出来事にも関わった。ナポレオン戦争後はオーストリア帝国領となり、第三次イタリア独立戦争後の住民投票を経て1866年にイタリア王国へ編入された。