北京の南西、「竜骨山」と呼ばれる低い石灰岩丘陵の洞窟堆積層から、初期人類研究で最も重要な化石記録の一つが発見されました。周口店では、北京原人として知られるホモ・エレクトス・ペキネンシスの骨、10万点を超える石器、数十万年前の火の利用を示す資料が出土しています。ユネスコはアジアの人類進化研究と長期にわたる文化層を評価し、1987年に世界遺産へ登録しました。
周口店が注目されたきっかけは、化石を粉にして漢方薬に用いる「竜骨」の取引でした。スウェーデンの地質学者アンデションとオーストリアの古生物学者ツダンスキーが1920年代初頭に発掘を始め、1921年に歯の化石を発見します。1927年、カナダの解剖学者デイヴィッドソン・ブラックは新種の人類と考え、シナントロプス・ペキネンシスと命名しました。一つの歯に基づく主張は当初、国際的な懐疑を招きました。