ティリンスはギリシャ北東ペロポネソス、アルゴリス平野にあり、ナフプリオから数キロのミケーネ文明を代表する城塞都市である。低い岩丘には数千年にわたる居住の痕跡があるが、現在の壮大な遺構は主に紀元前14~13世紀に整えられた。1999年、約20キロ離れたミケーネとともにユネスコ世界遺産へ登録された。
城壁は周囲約750メートル、場所によって厚さ8メートル、高さ13メートルに達し、巨大な石を積み上げている。後世のギリシャ人は人間の仕事とは信じがたく、神話の巨人キュクロプスが築いた「キュクロプス式城壁」と呼んだ。壁内の持送りアーチ通路、貯蔵回廊、城門は高度な土木技術を示す。上部城塞の宮殿は中央炉と四本柱を持つメガロンを中心とし、後のギリシャ神殿空間の先例としても重要だ。