フリック・コレクションは、マンハッタンの5番街に近い東70丁目1番地、実業家で収集家だったヘンリー・クレイ・フリックの旧邸にある美術館だ。ヨーロッパの絵画、彫刻、装飾美術を、居間や回廊、中庭を思わせる空間で鑑賞できる。巨大な総合美術館とは異なり、私邸のスケールを残した建築と作品の関係そのものが見どころである。
1849年生まれのフリックは、1913年にCarrère and Hastingsへ邸宅の設計を依頼した。1919年の死後、建物と収集品が美術館の基礎となり、ジョン・ラッセル・ポープによる改修を経て1935年に一般公開された。館には、娘ヘレン・クレイ・フリックが創設したフリック美術資料図書館もあり、美術史研究の重要な拠点となっている。