ロンドンのナショナル・ギャラリーはトラファルガー広場の北側にあり、13世紀から20世紀初頭までの西ヨーロッパ絵画を収蔵する。所蔵作品は2,600点を超え、常時1,000点以上を展示する。ファン・エイクの「アルノルフィーニ夫妻像」、ターナーの「戦艦テメレール号」、ゴッホの「ひまわり」などが代表作である。王室コレクションの国有化ではなく、国家が個人コレクションを購入して始まった点も、この美術館の公共性を物語る。
1824年、英国政府は銀行家ジョン・ジュリアス・アンガースタインの絵画38点を5万7千ポンドで購入し、同年5月10日に旧邸宅の100パル・マルで公開した。寄贈と購入で作品が増えると、国会はトラファルガー広場に専用館を建てることを決め、ウィリアム・ウィルキンズ設計の建物が1838年に開館した。その後も増改築を重ね、1991年完成のセインズベリー・ウイングには初期絵画の展示室が設けられた。近年の改修を経て、現在は一般来館者の主要入口にもなっている。