大阪城には複数の時代が重なっている。歴史の始まりは1583年、豊臣秀吉が大坂、すなわち石山本願寺の跡地に要塞を築き始めたことだ。秀吉は日本統一を進めるなかで、新しい城を自らの権力の象徴にしようとした。最初の天守は2年後に完成したが、その姿が変わらず残ったわけではない。破壊と再建のたびに、大阪の政治も変化した。
1615年の大坂夏の陣で豊臣方が敗れると、初代天守を含む城の大部分が破壊された。徳川幕府は1620年代に城を再建するが、1665年には落雷で天守が焼失し、その後何世紀も天守のない時代が続く。現在の天守は大阪市長・関一の呼びかけによる市民募金を受け、1931年に完成した。目の前の建物は秀吉時代の木造天守そのものではなく、20世紀に造られた再建建築である。