「白川郷」は、岐阜県白川村の歴史的集落、荻町を指す略称として使われることがあります。しかし、ユネスコの登録資産はより広く、「白川郷・五箇山の合掌造り集落」には荻町と、現在の富山県南砺市にある相倉・菅沼が含まれます。1995年に登録された資産は、三つの集落を合わせて68ヘクタールです。価値は、家屋の見た目が珍しいことだけではありません。人里から遠い山間部、豪雪、住民の経済的・社会的な必要に適応してきた伝統的な暮らしが評価されています。
代表的な建物が合掌造りの農家です。急勾配の茅葺き屋根は、祈るように手を合わせた形に見え、雪の多い地域の気候と広い屋根裏の利用に対応しています。家屋は付属建物や周囲の田畑とともに集落をつくって残るため、一軒の外観だけでなく周辺環境も大切です。ユネスコは、この地域の歴史的な生業として桑の栽培と養蚕を挙げています。これらには空間と労働力が必要で、家の形だけでなく共同体のあり方にも影響しました。建物を風景の小道具としてではなく、仕事、気候、社会の仕組みと結びつけて見る場所です。